2026年5月29日

歯科医院で診察を受ける際、「レントゲンを撮りますね」と言われた経験がある方は多いのではないでしょうか。
当院でも、初診時にはレントゲンの撮影をご協力いただいています。
しかし、「なぜ必要なの?」「目で見れば分かるのでは?」と疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
実は、歯科のレントゲン検査は、見た目だけでは分からないお口のトラブルを発見するために欠かせない検査です。虫歯や歯周病だけでなく、歯の根の状態や骨の異常まで確認できるため、正確な診断と適切な治療につながります。
今回は、歯科でレントゲンを撮影する目的や、レントゲンから分かることについて詳しく解説します。
歯科のレントゲン検査とは?
歯科のレントゲン検査とは、X線を使用して歯や顎の骨の状態を画像化する検査です。
お口の中は、表面だけ見えていても、歯茎の中や歯の内部、顎の骨の状態までは肉眼で確認できません。レントゲンを撮影することで、普段は見えない部分を確認できるようになります。
歯科治療では、症状が出ている部分だけでなく、お口全体の健康状態を把握することが重要です。そのため、初診時や定期検診、治療前などにレントゲン撮影を行うことがあります。
レントゲンで分かること
虫歯の進行状態
初期の虫歯や、歯と歯の間にできた虫歯は、目視だけでは発見が難しいことがあります。
レントゲン撮影を行うことで、
・歯の内部まで進行している虫歯
・詰め物や被せ物の下の虫歯
・歯と歯の間の隠れた虫歯
などを確認できます。
痛みが出る前の段階で発見できれば、歯を削る量を最小限に抑えられる可能性があります。
歯周病による骨の減少
歯周病は、歯茎だけでなく、歯を支えている骨にも影響を与える病気です。
レントゲンでは、顎の骨がどの程度減っているかを確認できます。
歯周病は自覚症状が少ないまま進行することも多く、見た目では分からないケースもあります。レントゲン検査を行うことで、歯周病の進行度を把握し、適切な治療計画を立てることができます。
歯の根の状態や炎症の確認
歯の神経に炎症が起きている場合や、根の先に膿が溜まっている場合も、レントゲンで確認できます。
例えば、
・根の先の炎症
・神経の治療後の状態
・歯根破折(歯の根のヒビ)
・根管治療の経過確認
などです。
特に、歯の根の病気は外から見えにくく、痛みがないまま進行することもあります。レントゲン検査によって、症状の原因を正確に判断しやすくなります。
親知らずの位置や生え方
親知らずは、斜めや横向きに埋まっていることがあります。
レントゲンでは、
・親知らずの向き
・骨の中に埋まっているか
・隣の歯への影響
・神経との距離
などを確認できます。
特に抜歯が必要な場合は、安全に治療を行うためにも事前のレントゲン検査が重要です。
顎の骨や異常の発見
レントゲン検査では、顎の骨の状態や病変の有無も確認できます。
例えば、
・顎の骨の異常
・嚢胞(のうほう)
・腫瘍
・顎関節周辺の状態
などです。
症状がない段階でも、偶然レントゲンで発見されるケースがあります。早期発見・早期治療につながることも、レントゲン検査の大きなメリットです。
矯正治療やインプラントにも重要
歯並びの矯正治療やインプラント治療では、レントゲンによる詳細な検査が欠かせません。
歯の向きや顎の骨の厚み、神経の位置などを正確に把握することで、安全性の高い治療計画を立てることができます。
必要に応じて、立体的に確認できるCT撮影を行う場合もあります。
レントゲンは被ばくが心配?
「レントゲンは被ばくが不安」という声を聞くことがあります。
しかし、歯科で使用されるレントゲンの放射線量は非常に少なく、人体への影響は極めて低いとされています。
さらに、現在はデジタルレントゲンを導入している歯科医院も多く、従来よりも被ばく量を抑えられるようになっています。
必要な検査を適切に行うことで、お口の病気の早期発見・早期治療につながるメリットの方が大きいと考えられています。
まとめ|歯科のレントゲン検査は正確な診断に欠かせません
歯科のレントゲン検査では、虫歯や歯周病だけでなく、歯の根の状態や骨の異常など、目では見えない部分まで詳しく確認できます。
痛みや症状が出る前に異常を発見できることも多く、早期治療によって大切な歯を守れる可能性があります。
正確な診断と適切な治療のためにも、歯科医院でレントゲン撮影をすすめられた際は、必要な検査として前向きに受けていただくことが大切です。
定期検診を活用し、お口の健康を長く維持していきましょう。
監修:永井歯科医院 院長 永井 太一