2026年7月31日

「口内炎ができると食事がつらい」「何度も同じ場所にできる」という経験はありませんか?
口内炎は、口の中の粘膜に炎症が起こる病気の総称です。頬の内側や舌、唇、歯茎、上顎などに赤みや白い潰瘍(かいよう)ができ、食事や会話の際に強い痛みを感じることがあります。
多くは数日から1~2週間で自然に治りますが、繰り返しできる場合や長期間治らない場合は、全身の病気やまれに口腔がんが隠れていることもあるため注意が必要です。
口内炎にはさまざまな種類があり、原因によって治療法や注意すべきポイントも異なります。繰り返す口内炎を予防するためには、まず原因を正しく知ることが大切です。今回は、口内炎の種類や原因、治療法、予防法、受診の目安について詳しくご紹介します。
口内炎の主な種類と原因
アフタ性口内炎
最も多くみられる口内炎で、白っぽい小さな潰瘍が1~数個でき、周囲が赤く炎症を起こします。
原因ははっきりしていませんが、ストレスや睡眠不足、疲労、免疫力の低下などが関係していると考えられています。
カタル性(外傷性)口内炎
入れ歯や矯正装置が当たる、尖った歯に触れる、誤って頬や舌を噛むなどの物理的な刺激によって起こります。
粘膜が広く赤くただれ、しみるような痛みが特徴です。
ウイルス性口内炎
単純ヘルペスウイルスやコクサッキーウイルスなどが原因です。
小児に多く、発熱や全身のだるさを伴うことがあります。
カンジダ性口内炎
カンジダ菌という真菌(カビ)が増殖して起こる口内炎です。
口の中に白い苔のような膜が付着し、乳幼児や高齢者、免疫力が低下している方、抗菌薬やステロイドを使用している方にみられます。
全身疾患に伴う口内炎
鉄欠乏性貧血やビタミン欠乏症、ベーチェット病、潰瘍性大腸炎などでも口内炎を繰り返すことがあります。
特にビタミンB2・B6・B12などのビタミンB群は、口の粘膜を健康に保つために欠かせない栄養素です。偏った食生活や過度なダイエット、多忙による栄養不足が続くと、粘膜の修復力が低下し、口内炎ができやすくなります。
口内炎の症状
口内炎では次のような症状がみられます。
⚫︎ 白色または黄色の小さな潰瘍と周囲の赤み
⚫︎ 口の中の強い痛み
⚫︎ 酸味や辛味のある食べ物で痛みの増加
⚫︎ 発熱や全身倦怠感
痛みが強い場合は、食事や会話、歯磨きにも支障が出ることがあります。
口内炎の治療方法
多くの口内炎は自然に治癒しますが、痛みを和らげたり治りを早めたりするために原因に応じた治療を行います。
⚫︎ アフタ性口内炎:ステロイド含有軟膏やうがい薬
⚫︎ ヘルペス性口内炎:抗ウイルス薬
⚫︎ カンジダ性口内炎:抗真菌薬
また、ビタミンB群や鉄分の補充、十分な睡眠、バランスのよい食事、口腔内を清潔に保つことも回復を助けます。
2週間以上治らない口内炎は要注意
通常の口内炎は1~2週間で改善します。しかし、次のような症状がある場合は注意が必要です。
⚫︎ 2週間以上治らない
⚫︎ 潰瘍が硬く触れる
⚫︎ 出血を繰り返す
⚫︎ 痛みが徐々に強くなっている
⚫︎ 首のリンパ節が腫れている、しこりがある
このような症状は、舌がんや口腔底がんなど口腔がんの初期症状として現れることがあります。自己判断せず、早めに耳鼻咽喉科や口腔外科で精密検査を受けましょう。早期発見・早期治療が、その後の治療成績を大きく左右します。
口内炎を予防するために
口内炎を繰り返さないためには、毎日の生活習慣を整えることが大切です。
特に粘膜の健康を保つため、次の栄養素を意識して摂取しましょう。
⚫︎ ビタミンB2:レバー、納豆、卵、乳製品
⚫︎ ビタミンB6:バナナ、鶏むね肉、鮭
⚫︎ ビタミンC:ブロッコリー、キウイ、パプリカ
⚫︎ 鉄分:ほうれん草、赤身肉、あさり
⚫︎ 亜鉛:牡蠣、牛肉、かぼちゃの種
食事だけでは栄養素が不足する場合は、ビタミンB群や鉄分などのサプリメントを上手に活用するのも一つの方法です。
さらに、規則正しい生活と十分な睡眠、毎日の歯磨きやうがいによる口腔ケア、入れ歯や矯正装置の適切な調整、ストレスをため込まない生活も予防につながります。
まとめ
口内炎は誰にでも起こる身近な病気ですが、繰り返す場合や治りが悪い場合には、栄養不足や全身疾患、まれに悪性腫瘍が原因となっていることがあります。
「いつもの口内炎だから」と放置せず、2週間以上治らない場合や気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。また、日頃からバランスの良い食事や十分な睡眠、口腔内を清潔に保つことが、口内炎予防への第一歩です。
監修:永井歯科医院 院長 永井 太一