2026年6月26日

「冷たい水を飲むと歯がキーンとしみる」「アイスや甘いものを食べると一瞬だけ鋭い痛みが走る」。このような症状がある場合、知覚過敏が原因かもしれません。
知覚過敏は、多くの方が経験する身近なお口のトラブルです。
症状が軽いうちは「そのうち治るだろう」と放置されがちですが、原因によっては悪化したり、虫歯や歯周病など別の病気が隠れているケースもあります。
今回は、知覚過敏の症状や原因、予防方法について詳しくご紹介します。
知覚過敏の主な症状
知覚過敏とは、歯の神経へ刺激が伝わりやすくなることで、一時的に鋭い痛みが起こる症状です。
特に以下のような場面で痛みを感じることが多くあります。
● 冷たい飲み物やアイスクリームを口にしたとき
● 温かいお茶やスープなどを飲んだとき
● 甘いお菓子や酸っぱい食べ物を食べたとき
● 歯磨きやデンタルフロスを使用したとき
● 冷たい風や空気が歯に当たったとき
知覚過敏による痛みは「キーン」とした鋭い痛みが特徴で、多くの場合は刺激がなくなると数秒程度で落ち着きます。ただし、痛みが長く続く場合や何もしなくても痛む場合は、虫歯や歯の神経の炎症など別の原因が考えられるため、早めに歯科医院を受診しましょう。
知覚過敏はなぜ起こる?メカニズムを解説
歯の表面は「エナメル質」という硬い組織で覆われています。
その内側には「象牙質」があり、さらに奥には歯の神経があります。
通常はエナメル質や歯ぐきによって象牙質が保護されていますが、何らかの原因で象牙質が露出すると、冷たいものや熱いものなどの刺激が神経へ伝わりやすくなります。その結果、「しみる」「痛い」といった知覚過敏の症状が現れます。
特に歯の根元はエナメル質が薄いため、歯茎が下がることで知覚過敏が起こりやすくなります。
知覚過敏の主な原因
知覚過敏にはさまざまな原因があります。複数の要因が重なって症状が現れることも少なくありません。
エナメル質の摩耗・損傷
歯を強い力で磨き続けると、エナメル質が少しずつ削れ、象牙質が露出しやすくなります。また、硬い歯ブラシを使っている場合も歯への負担が大きくなります。
さらに、炭酸飲料や柑橘類など酸性の食品・飲料を頻繁に摂取すると、エナメル質が溶けやすくなり、知覚過敏の原因となることがあります。
歯茎の退縮
加齢や歯周病、強いブラッシング、噛み合わせの影響などによって歯茎が下がると、歯の根元が露出します。歯の根元にはエナメル質がないため、刺激を受けやすくなり知覚過敏が起こります。
歯のひび割れ・歯ぎしり
歯ぎしりや食いしばり、硬いものを噛んだ衝撃などによって歯に細かなひびが入ることがあります。ひびから刺激が神経へ伝わりやすくなり、知覚過敏を引き起こします。
酸蝕症
酸性の飲み物や食べ物を長期間・頻繁に摂取すると、歯が少しずつ溶ける「酸蝕症」になることがあります。
特に以下のような食品・飲料は注意が必要です。
● 炭酸飲料
● スポーツドリンク
● オレンジジュースやレモンジュースなどの果汁飲料
● お酢を使った飲料や食品
毎日少しずつでも摂取を繰り返すことで、エナメル質へのダメージが蓄積することがあります。
お口の乾燥
唾液には、お口の中の酸を中和し歯を守る働きがあります。
しかし、加齢や薬の副作用などで唾液が減ると、酸の影響を受けやすくなり、知覚過敏のリスクが高まります。
今日からできる!知覚過敏の予防と対策
知覚過敏は、毎日のセルフケアや生活習慣を見直すことで予防・改善が期待できます。
正しい歯磨きを心がける
歯ブラシは毛先がやわらかめのものを選び、力を入れすぎず優しく磨きましょう。歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握ると、適切な力加減で磨きやすくなります。
知覚過敏用の歯磨き粉を使う
知覚過敏専用の歯磨き粉には、刺激を伝わりにくくしたり、フッ素によって歯を強化したりする成分が配合されています。毎日継続して使用することで症状の軽減が期待できます。
食生活を見直す
酸性の飲食物を摂りすぎないことも大切です。また、カルシウムやビタミンを含むバランスの良い食事は、歯の健康維持につながります。
歯ぎしり・食いしばりを改善する
ストレスは歯ぎしりや食いしばりの原因になることがあります。十分な睡眠や適度なリフレッシュを心がけましょう。必要に応じてナイトガード(マウスピース)の使用も有効です。
定期的に歯科検診を受ける
知覚過敏と思っていた症状が、実は虫歯や歯周病だったというケースもあります。定期検診では原因を正確に診断し、症状に応じた適切な治療や予防処置を受けることができます。
知覚過敏は我慢せず、早めの受診がおすすめです
知覚過敏は、多くの方が経験する身近な症状ですが、原因を放置すると悪化することもあります。また、症状が似ていても虫歯や歯のひび割れなど別の病気が隠れている可能性もあるため、自己判断は禁物です。
毎日の正しいセルフケアや食生活の見直し、定期的な歯科検診を続けることで、多くの場合は症状の予防や改善が期待できます。
「歯がしみる」「冷たいものが食べづらい」と感じたら、そのまま我慢せずお気軽にご相談ください。原因をしっかり見極め、お一人おひとりに合った治療と予防方法をご提案いたします。
監修:永井歯科医院 院長 永井 太一

Q. 知覚過敏は自然に治りますか?
A. 一時的の症状が落ち着くことはありますが、原因によっては自然に改善しないため、歯科医院で原因を確認することが大切です。
知覚過敏は、歯ぎしりや強いブラッシングなど、一時的な刺激が原因で起こっている場合には症状が軽くなることがあります。しかし、歯茎が下がっていたり、歯にひびが入っていたり、歯周病が原因となっている場合は、自然に治ることはあまり期待できません。また、知覚過敏と思っていた症状が虫歯であるケースもあるため、症状が続く場合は早めの受診をおすすめします。
Q. 知覚過敏と虫歯はどう見分ければいいですか?
A.ご自身で見分けるのは難しいため、気になる症状があれば歯科医院で診断を受けましょう。
知覚過敏は、冷たいものや甘いものなどの刺激を受けたときに「キーン」としみる痛みが特徴で、刺激がなくなると痛みも比較的すぐに治まります。一方、虫歯は刺激がなくても痛みが続いたり、ズキズキとした痛みが現れたりすることがあります。ただし、初期の虫歯は知覚過敏と似た症状を示すこともあるため、自己判断せず歯科医院で原因を確認することが大切です。
Q. 知覚過敏用の歯磨き粉を使えば治りますか?
A. 軽度の知覚過敏であれば症状の改善が期待できますが、原因によっては歯科治療が必要になることもあります。
知覚過敏用の歯磨き粉には、刺激が神経へ伝わりにくくする成分や、歯を強くするフッ素などが配合されています。継続して使用することで、しみる症状が軽減するケースも少なくありません。しかし、歯のひび割れや歯周病、噛み合わせの問題などが原因の場合は、歯磨き粉だけでは改善しないことがあります。症状が続く場合は、原因に合わせた適切な治療を受けることが重要です。