2026年9月04日

「甘いものを食べると虫歯になる」という話は、きっと多くの方が一度は聞いたことがあると思います。
しかし、歯に影響するのは「甘いかどうか」だけではありません。
食べ物や飲み物に含まれる糖分や酸も、虫歯や酸蝕症と深く関係しています。
毎日何気なく口にしているものでも、選び方や摂り方によっては歯に負担をかけてしまうことがあります。
今回は、身近な食べ物や飲み物を例に、虫歯(カリエス)と酸蝕症のリスク、歯にやさしい食品の選び方についてご紹介します。
虫歯と酸蝕症は、食べ物の「何」が問題なの?
まず、虫歯と酸蝕症では、歯がダメージを受ける仕組みが少し違います。
虫歯は、口の中にいる虫歯菌が食べ物や飲み物に含まれる糖を利用して酸を作り、その酸によって歯が溶けていく病気です。特に、砂糖を多く含む食品や、口の中に長時間残る食品は注意が必要です。
一方、酸蝕症は、食べ物や飲み物そのものに含まれる酸によって、歯の表面が溶けてしまう状態です。
つまり、虫歯を予防するには「糖分」に、酸蝕症を予防するには「酸」に注目することが大切です。
では、実際にはどんな食品に注意すればよいのでしょうか?
まず知っておきたい「pH」とは?
食品の酸性・アルカリ性を考えるときによく使われるのがpH(ピーエイチ)という値です。
pHは、簡単にいうと「その物質がどのくらい酸性なのか、アルカリ性なのかを示す値」です。
pHが7の場合は中性で、7より小さくなるほど酸性が強くなります。
歯の表面は酸に弱いため、酸性の強い食品や飲み物を頻繁に摂ると、酸蝕症につながる可能性があります。
ただし、「酸性=必ず歯に悪い」というわけではありません。
食品に含まれる成分や口の中にとどまる時間、食べる頻度などによっても、歯への影響は変わります。
それでは、身近な食品を見ていきましょう。
ヨーグルトは酸性でも、リスクは比較的低め
ヨーグルトは酸味があるため、酸性の食品です。一般的にpHは3.9前後とされています。
「酸性なら歯が溶けやすいのでは?」と思うかもしれませんが、ヨーグルトにはカルシウムやリンなどが含まれています。そのため、酸性食品の中では、虫歯や酸蝕症のリスクは比較的低めと考えられています。
ただし、砂糖などを多く含む加糖タイプのヨーグルトは、虫歯のリスクが高くなる可能性があります。
ヨーグルトを選ぶなら、無糖タイプを選ぶのもひとつの方法です。
炭酸水は「無糖・無味」と「フレーバー付き」で違う?
炭酸水も、選び方によって歯への影響が変わります。
無糖・無味の炭酸水は糖分を含まないため、虫歯のリスクは低い飲み物です。
一方で、炭酸水は酸性に傾いているため、飲み方によっては酸蝕症に注意が必要です。
さらに気をつけたいのが、レモンフレーバーなどの味付き炭酸水です。
レモンなどの酸味成分が加わることで、酸蝕症のリスクが高くなることがあります。
「砂糖が入っていないから歯に安心」とは限らないため、フレーバー付きの炭酸水を選ぶときは、原材料表示も確認してみましょう。
コーヒー・紅茶は「何を入れるか」に注意
コーヒーや紅茶は、無糖であれば虫歯のリスクは比較的低い飲み物です。
しかし、砂糖やシロップを加えれば、糖分によって虫歯のリスクが高くなります。
また、レモンを加える場合は、糖分だけでなく酸による酸蝕症にも注意が必要です。
普段コーヒーや紅茶を飲む習慣がある方は、できるだけ無糖で楽しむことが、歯を守るためのポイントのひとつです。
虫歯になりにくい食べ物を選ぶなら?
間食をするなら、糖分が少なく、歯に残りにくい食品を選ぶのがおすすめです。
例えば、ナッツ、チーズ、生野菜、ゆで卵などは、虫歯の原因となる糖分が少ない食品です。
特にチーズにはカルシウムやリンなどが含まれており、間食として取り入れやすい食品のひとつです。
反対に、注意したいのがあめやグミです。
これらは糖分を多く含む商品が多く、さらに口の中に長時間残りやすいため、虫歯のリスクが高くなります。
また、クエン酸などの酸が含まれている商品では、虫歯だけでなく酸蝕症のリスクも高くなるため、特に注意が必要です。
「クエン酸」「果汁パウダー」などの表記にも注目
食品を選ぶときは、パッケージの「甘い・甘くない」だけで判断するのではなく、原材料名を見る習慣をつけてみましょう。
特に、「クエン酸」「果汁パウダー」などの表記がある食品は、酸蝕症のリスクを考えるうえで注意が必要です。
また、「オリゴ糖」と書かれているからといって、必ずしも「虫歯にならない」というわけではありません。商品によって使用されている糖類や成分は異なるため、表示を確認することが大切です。
甘いものが食べたいときは「キシリトール100%」がおすすめ
甘いものが好きな方には、キシリトール100%の製品もおすすめです。
キシリトールは砂糖とは異なり、虫歯菌が酸を作りにくい甘味料です。
ガムなどを選ぶ際には、「キシリトール配合」という表示だけでなく、キシリトール100%かどうかを確認してみましょう。
ただし、キシリトール製品の中には、キシリトール以外の糖類などが含まれているものもあります。こちらも原材料表示を確認することがポイントです。
毎日の「選び方」が歯を守ることにつながります
虫歯や酸蝕症を予防するためには、毎日の歯磨きだけでなく、普段どんな食べ物や飲み物を選んでいるかも大切です。
「無糖だから大丈夫」「酸っぱくないから大丈夫」と単純に判断するのではなく、糖分や酸の有無、原材料などを確認してみましょう。
また、同じ食品でも「一日中少しずつ食べ続ける」のと「時間を決めて食べる」のでは、歯への負担が変わります。
歯がしみる、歯の表面が薄くなった気がする、虫歯ができやすいなどのお悩みがある方は、ぜひ一度ときわ台駅前永井歯科医院へご相談ください。毎日のちょっとした習慣から、一緒にお口の健康を見直していきましょう。
監修:永井歯科医院 院長 永井 太一