2026年10月02日

「フッ素は虫歯予防に良い」と聞いたことはあっても、「そもそもフッ素って何?」「どうして虫歯防げるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
フッ素は、毎日の虫歯予防に役立つ身近な成分です。
歯科医院で行うフッ素塗布だけでなく、フッ素配合の歯磨き剤や洗口剤など、日常生活の中でも取り入れることができます。
今回は、フッ素の働きや、歯科医院とご自宅でできるフッ素による虫歯予防についてご紹介します。
そもそも、虫歯はどうやってできる?
虫歯は、口の中に存在するミュータンス菌などの虫歯菌が、食べ物や飲み物に含まれる糖を利用して酸を作り出すことで始まります。
この酸によって、歯の表面を覆っているエナメル質からカルシウムやリンなどのミネラルが溶け出します。これを「脱灰(だっかい)」と呼びます。
通常は、唾液の働きによって溶け出したカルシウムやリンが歯に戻る「再石灰化」が起こります。しかし、酸による脱灰が繰り返され、再石灰化が追いつかなくなると、歯の表面が弱くなり、やがて虫歯へと進行してしまいます。
そこで重要になるのが「フッ素」です。
フッ素にはどんな働きがある?
フッ素には、虫歯を予防するためのさまざまな働きがあります。
①歯のエナメル質を強くする
フッ素が歯の表面に作用すると、エナメル質が酸に溶けにくくなります。
つまり、虫歯菌が作り出す酸に対して歯が強くなり、虫歯になりにくい状態をつくることができます。
②虫歯菌の働きを弱める
フッ素には、虫歯菌が酸を作り出す働きを抑える作用もあります。
「酸を作らせにくくする」ことと「酸に負けにくい歯をつくる」ことの両方から、虫歯予防をサポートしてくれます。
③歯の再石灰化を助ける
初期の虫歯では、歯の表面からカルシウムやリンが溶け出しています。
フッ素は、唾液に含まれるカルシウムやリンが歯に戻る「再石灰化」を促進する働きがあります。
このように、フッ素は「歯を強くする」「虫歯菌の働きを抑える」「再石灰化を促進する」という複数の働きによって、虫歯から歯を守っています。
歯科医院で受ける「フッ素塗布」とは?
フッ素による虫歯予防には、ご家庭で行う方法と、歯科医院で行う方法があります。
歯科医院では、ご家庭で使用する歯磨き剤などよりも高濃度のフッ化物を歯の表面に塗布する「フッ化物歯面塗布」を行うことがあります。
一般的なフッ化ナトリウム製剤では、フッ化物イオン濃度として9,000ppmのものが使用されます。
歯科医師や歯科衛生士が歯面に直接塗布することで、歯を酸に強くし、虫歯予防をサポートします。
特に、虫歯になりやすいお子様や、矯正治療中の方、成人・高齢者の根面虫歯が心配な方などにも利用されています。
ただし、フッ素塗布は一度受ければ終わりというものではありません。
定期的なケアと、ご家庭での毎日の虫歯予防を組み合わせることが大切です。
毎日の歯磨きでもフッ素を取り入れよう
ご家庭でできる代表的なフッ素利用が「フッ素配合歯磨き剤」です。
現在、日本でもフッ化物配合歯磨き剤は広く使用されており、成人向けでは1,450ppmF程度の製品も販売されています。毎日の歯磨きで継続的にフッ素を歯に届けることが、虫歯予防につながります。
また、年齢やお口の状態に応じて、フッ化物洗口を取り入れる方法もあります。
「フッ素を塗ったから大丈夫」ではなく、歯科医院でのフッ素塗布+毎日のフッ素配合歯磨き剤+適切な歯磨きを組み合わせることが、効果的な虫歯予防につながります。
フッ素を上手に使って、虫歯なりにくい歯へ
フッ素は、歯そのものを「再生させる魔法の成分」ではありません。
しかし、歯を酸に強くしたり、再石灰化を助けたり、虫歯菌の働きを抑えたりすることで、虫歯予防を強力にサポートしてくれます。
虫歯予防で大切なのは、フッ素だけに頼ることではありません。
毎日の歯磨きや食生活、定期的な歯科検診、そして必要に応じた歯科医院でのフッ素塗布を組み合わせることが大切です。
「自分に合ったフッ素の使い方を知りたい」「子どもにフッ素を使っても大丈夫?」など、気になることがあれば、お気軽にときわ台駅前歯科医院へご相談ください。
監修:永井歯科医院 院長 永井 太一

Q1. フッ素は子どもにも使って大丈夫ですか?
A. はい、年齢に応じた適切な量・濃度で使用すれば、子どもの虫歯予防にも効果的です。
乳歯や生えたばかりの永久歯は、虫歯になりやすいため、毎日のフッ素配合歯磨き剤の使用や、歯科医院でのフッ素塗布がおすすめです。年齢によって適した使用量などが異なるため、詳しくは歯科医院でご相談ください。
Q2. フッ素を塗れば、虫歯にならなくなりますか?
A. フッ素は虫歯予防に効果的ですが、フッ素だけで虫歯を完全に防げるわけではありません。
フッ素には、歯を酸に強くしたり、再石灰化を促進したり、虫歯菌の働きを抑えたりする作用があります。
毎日の歯磨きや食生活、定期的な歯科検診などと組み合わせて、継続的に虫歯を予防することが大切です。
Q3. フッ素塗布はどのくらいの頻度で受ければいいですか?
A. お口の状態や虫歯のリスクによって異なりますが、定期的に受けることが大切です。
虫歯のなりやすさや年齢、お口の状態などによって適した頻度は異なります。定期的な歯科検診の際にお口の状態を確認し、その方に合ったタイミングでフッ素塗布を行うことをおすすめします。