2025年11月28日

矯正治療と聞くと、「ワイヤーで歯に器具をつけて何年もかかる」というイメージを持つ方も多いかもしれません。金属の装置が目立つことや、お口の中の違和感を心配される方も少なくありません。
そのような中で、近年は透明で目立ちにくいマウスピース矯正を選ばれる方が増えています。取り外しができるため、食事や歯磨きも普段通り行いやすく、見た目の負担が少ないのが大きな魅力です。また、治療前に歯の動きをシミュレーションで確認できるため、仕上がりのイメージを持って安心して治療を始められます。
ここでは、初めての方にも分かりやすいように、マウスピース矯正の一般的な流れをご紹介します。
1. 初診相談・カウンセリング
まずは歯科医院でのカウンセリングから始まります。現在のお口の状態や気になる点、理想とする歯並びについて丁寧にお伺いします。そのうえで、マウスピース矯正が適しているかどうかを歯科医師が判断します。歯並びの状態によっては、ワイヤー矯正や部分矯正のほうが良い場合もありますので、最初にしっかり相談することが大切です。
2. 精密検査・診断
マウスピース矯正を進める場合、次に精密な検査を行います。レントゲン撮影や口腔内写真、歯型の採取(スキャナーを使ったデジタル印象)を行い、歯や骨の状態を詳細に確認します。これらのデータをもとに、治療のシミュレーションを行い、どのように歯が動いていくのか、どれくらいの期間が必要かを予測します。当院では、完成イメージを3D画像で確認できるので、治療後の歯並びをイメージしやすいのもマウスピース矯正の魅力のひとつです。
3. 治療計画のご説明
検査結果をもとに、歯科医師が治療計画を立てます。使用するマウスピースの枚数や交換の目安、治療期間の目安、必要に応じて追加処置があるかなどを詳しくご説明します。この段階で費用についてもご案内いたしますので、納得いただいてから治療を始められます。安心してスタートできるように、不安や疑問点は遠慮なく確認しましょう。
4. マウスピースの制作
治療計画に沿って、オーダーメイドのマウスピースを製作します。海外の工場にて製作するので、数週間かかることもありますが、完成すれば治療開始の準備が整います。マウスピースは透明な薄い素材で作られており、装着しても目立ちにくく、日常生活に大きな支障が出にくいのが特徴です。
5. 治療開始・マウスピースの装置
最初のマウスピースをお渡しする際には、装着方法やお手入れ方法をご説明します。基本的には1日20時間以上の装着が推奨されており、食事や歯磨きのときに取り外せます。通常は2週間ごとに新しいマウスピースへ交換し、少しずつ歯を理想の位置へと動かしていきます。
また、装着時間が十分に確保できなかった場合や、歯の動きがシミュレーションより遅れている場合には、交換のタイミングを調整することも可能です。無理に進めず、その時点で最も適したペースに合わせながら治療を進めていきますので、安心して取り組んでいただけます。
6. 定期チェック
治療中は、1か月に一度のペースで通院していただきます。歯の動きが予定通りかを確認し、必要に応じて追加のマウスピースを作製することもあります。マウスピース矯正は患者さま自身の装着時間に左右される治療法ですので、自己管理がとても大切です。通院時に正しい使用状況を確認しながら、一緒にゴールを目指していきます。
7. 治療完了・保定期間
すべてのマウスピースを使い終え、歯が理想的な位置に並んだら治療は完了です。ただし、そのままでは歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こる可能性があります。そのため、治療後にはリテーナーと呼ばれる保定装置を一定期間使用します。保定期間は通常1~2年ほどで、歯並びを安定させるために欠かせない大切なステップです。
まとめ
マウスピース矯正は、
1. 初診相談
2. 精密検査・診断
3. 治療計画
4. マウスピース製作
5. 治療開始
6. 定期チェック
7. 保定期間
という流れで進んでいきます。透明で目立ちにくく、生活に取り入れやすい治療法ですが、装着時間を守ることが成功のカギです。
矯正治療は「自分の歯並びをどうしたいか」を叶えるためのプロセスです。気になることがあれば、まずはお気軽にご相談ください。当院では患者さま一人ひとりに合わせた最適な治療方法をご提案いたします。
監修:永井歯科医院 院長 永井 太一