2025年12月26日

冷たい水を飲んだ瞬間にキーンとした痛みが走る。
歯みがきをしていると、特定の歯だけしみる。ーーーこのような経験はありませんか?
「一時的なものだから」「そのうち治るだろう」と放置されがちな症状ですが、歯がしみるのは、お口の中で何らかの異変が起きているサインです。今回は、歯がしみる主な原因についてご説明します。
噛み合わせによる歯への負担
歯がしみる原因として、意外と見落とされやすいのが「噛み合わせ」です。
歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせのズレがあると、特定の歯に強い力が集中します。その結果、歯の根元が楔(くさび)状に削れたようにすり減ることがあります。
歯の根元がV字型にえぐれたようになっていませんか?
この状態を「楔状欠損」といい、本来守られているはずの象牙質が露出し、冷たい刺激やブラッシングの刺激が直接伝わるため、しみる症状が起こります。噛み合わせの調整や歯を守る処置を行うことで、症状が改善するケースも多くあります。
知覚過敏と歯茎の炎症
「むし歯ではないのにしみる」という場合、知覚過敏が原因のことがあります。
知覚過敏は、歯茎が下がったり、エナメル質が薄くなることで、歯の内部に刺激が伝わりやすくなる状態です。
その背景には、プラーク(歯垢)による歯茎の炎症が関係していることもあります。歯茎が炎症を起こすと、歯と歯茎の境目が弱くなり、過敏な状態になりやすくなります。
適切なクリーニングやブラッシング指導、知覚過敏用の処置を行うことで、症状を和らげることが可能です。
虫歯によるしみ
歯がしみる症状の代表的な原因が、やはり虫歯です。
初期の虫歯では強い痛みが出にくく、「冷たいものに少ししみる」「甘いものがしみる」といった軽い症状だけの場合もあります。しかし、虫歯は自然に治ることはなく、進行すると神経の治療が必要になることもあります。
「しみるだけだから大丈夫」と思わず、早めの受診が歯を守ることにつながります。
歯がしみたら、早めの受診を
歯がしみる原因は一つではなく、状態によって対処法も異なります。
自己判断で市販の歯磨き剤だけに頼るのではなく、原因を正確に見極めることが大切です。
歯がしみるという小さなサインを見逃さず、気になる症状があればお気軽にご相談ください。
早期発見・早期治療が、将来の大きなトラブルを防ぎ、大切な歯を長く健康に保つ第一歩になります。
監修:永井歯科医院 院長 永井 太一