2025年11月07日

インプラントは「失った歯を補う治療」として非常に優れた方法で、見た目も噛み心地も天然歯に近いのが大きな魅力です。しっかり噛めるようになることで食事が楽しくなり、発音やお顔の印象も自然に整うなど、日常生活の質を大きく向上させます。
しかし、「手術が終わったらもう大丈夫なの?」「何年くらいもつの?」「お手入れはどうすればいいの?」といった治療後の不安を感じる方も多くいらっしゃいます。インプラントは入れて終わりではなく、その後のケアや定期的なチェックがとても大切な治療です。
そこで今回は、治療後に関して患者さまからよくいただく疑問を取り上げ、インプラントを長く使い続けるためのポイントを分かりやすく解説します。
Q1. インプラントはどのくらい持つの?一生使える?
A. 適切なケアを続ければ、長期間にわたって使い続けることができます。
インプラントはチタン製で、骨としっかり結合するため腐食や虫歯になる心配はありません。
研究では10年以上で90%以上が問題なく機能していると報告されています。中には20年、30年と使い続けている方もいます。
ただし、骨や歯ぐきの健康状態によって寿命は左右されます。日々のセルフケアと定期検診を続けることが、長持ちの秘訣です。
Q2. インプラント周囲炎って何?歯周病とは違うの?
A. インプラント周囲炎は「インプラントの歯周病」で、進行が早いのが特徴です。
天然の歯に歯周病があるように、インプラントにも周囲炎が起こることがあります。進行すると骨が減少し、最終的にはインプラントが抜けることもあります。
天然歯の歯周病とは異なり、インプラントには歯根膜がないため、痛みが出にくく進行に気づきにくい点が特徴です。そのため、早期発見・早期治療が非常に重要です。
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インプラントも“歯周病”になる!? インプラント周囲炎とは
Q3. メンテナンスはどのくらいの頻度で必要?
A. 基本は3〜6か月に一度の定期検診が必要です。
インプラントは虫歯にはなりませんが、周囲炎のリスクがあります。定期検診では歯ぐきや骨の状態、噛み合わせの確認、専用器具によるクリーニングを行います。
特に歯周病の既往がある方や喫煙者はリスクが高いため、3か月ごとの検診がおすすめです。定期的なチェックが、トラブルを未然に防ぐ最大のポイントです。
Q4. 普通の歯と同じように噛めるの?固いものも大丈夫?
A. 基本的には天然歯と同じように噛めます。
インプラントは骨に固定されているため、噛む力は天然歯とほぼ同じです。リンゴやお肉などもしっかり噛むことができます。ただし、氷や硬い飴など極端に硬いものをかじるのは避けた方が無難です。
これはインプラントだけでなく天然歯でも同様で、無理な力がかかると破損する可能性があります。
Q5. インプラントが外れることはある?
A. まれに外れることもありますが、多くの場合は予防可能です。
インプラントが外れる原因は、周囲炎による骨の吸収や強い噛み合わせ、治療後のメンテナンス不足などです。
適切なセルフケアと定期検診でリスクは大きく下げられます。万が一外れても、骨の状態が良ければ再治療が可能なケースもあります。大切なのは「外れる前に気づける」ことです。
まとめ
インプラントは天然歯に近い見た目と機能を持ち、生活の質を高める治療です。しかし、治療後のケアが長期安定のカギとなります。
・適切なケアで長期間使用可能
・周囲炎は進行が速いため定期検診が必須
・3〜6か月ごとのメンテナンスでトラブルを予防
・普通の食事は問題ないが、過度な硬いものは控える
・外れることもあるが、多くは予防可能で再治療も可能
長く安心して使い続けるために、日常のケアと定期検診を習慣にすることが重要です。
当院では、定期検診やクリーニングはもちろん、噛み合わせやインプラント周囲炎のチェックなど、患者さま一人ひとりの状態に合わせたサポートを行っています。安心して長く使い続けられるよう、私たちがしっかりお手伝いします。
何かございましたらお気軽にご相談ください。
監修:永井歯科医院 院長 永井 太一