2025年10月31日

インプラントは「しっかり噛める」「自然な見た目が手に入る」ことから、多くの方に選ばれている治療法です。しかし「手術」と聞くと、「痛いのでは?」「失敗しない?」と不安になる方も少なくありません。
そこで今回は、患者さまから特によくいただく手術や安全性に関する疑問を、Q&A形式でわかりやすく解説します。
Q1. 手術中や術後の痛み・腫れはどのくらい?
A. 手術中の痛みはほとんどなく、術後の痛みや腫れも数日〜1週間で落ち着きます。
インプラント手術は局所麻酔を使用して行います。そのため、手術中に強い痛みを感じることはほとんどありません。患者さまからは「思ったより楽だった」とおっしゃっていただくことも多いです。
不安の強い方には、リラックス効果のある「静脈内鎮静法」を取り入れることも可能です。
術中はうとうとと眠っているようなリラックスした状態で過ごせるため、恐怖心の強い方や手術が苦手な方にもおすすめです。当院では、麻酔科医の立ち会いのもとで鎮静法を行っており、安全性が高く安心して手術を受けていただけます。
術後は麻酔が切れると、多少の痛みや腫れが出ることがありますが、多くの場合は数日~1週間程度で治まります。歯を抜いた後の症状に近いと考えるとわかりやすいでしょう。痛み止めや抗生剤も併用しますので、必要以上に心配されることはありません。
Q2. 感染や失敗もリスクはある?
A. 適切な管理を行えば、感染や失敗のリスクは最小限に抑えられます。
インプラントは外科処置である以上、感染や不具合が起こるリスクをゼロにすることはできません。具体的には、以下のような可能性があります。
・傷口からの感染
・インプラントが骨にしっかり結合しない(結合不全)
・術後の腫れ・出血
ただし、これらは正しい診断と治療計画、徹底した衛生管理、そして患者さまご自身による適切なケアによって、大きく減らすことが可能です。当院ではCT撮影による精密診断や滅菌管理を徹底し、安全性を第一に考えた治療を行っています。
Q3. 骨が少ない場合はどうするの?
A. 骨が不足していても、骨造成によってインプラントを支える土台を作ることができます。
歯を失って長期間経過すると、あごの骨が痩せてしまい、インプラントを支える土台が不足するケースがあります。そのままではインプラントが安定せず、治療が難しいこともあります。
そのような場合に行うのが「骨造成(こつぞうせい)」です。これは骨を補ったり再生を促したりする処置で、代表的な方法には以下があります。
・GBR法:特殊な膜を使って骨の再生を誘導する方法
・ソケットリフト/サイナスリフト:上あごに骨を補う方法
これらの技術によって骨の量を確保できれば、インプラント治療の選択肢が広がり、より多くの方に治療が可能になります。
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骨が少なくても諦めないで!最新の骨造成技術とインプラント治療
Q4. MRIや飛行機に影響はない?
A. インプラントはチタン製のため、MRIや飛行機への影響はほとんどありません。
インプラントは主にチタンという金属でできています。チタンは生体適合性が非常に高く、整形外科の人工関節やプレートなどにも広く使われている安全な素材です。
・MRI検査:チタンは磁気に反応しないため、通常のMRI検査は問題なく受けられます。
・飛行機:気圧の変化による影響もなく、金属探知機にも反応しません。
つまり、インプラントを入れたからといって日常生活や医療検査に制限がかかることはほとんどありません。
まとめ
インプラント治療は「外科手術」という点で不安を持たれやすいですが、局所麻酔や静脈内鎮静法によって痛みや恐怖心を最小限に抑えることができます。術後の症状も数日で落ち着くことがほとんどです。
感染や結合不全などのリスクはありますが、精密な診断・適切な処置・丁寧なメンテナンスによって、成功率は非常に高い治療です。また、骨が不足している場合でも骨造成によって治療の可能性は広がります。さらに、MRI検査や飛行機への影響もないため、安心して生活を送っていただけます。
インプラント治療は「第二の永久歯」とも呼ばれ、しっかり噛める喜びや自然な見た目を取り戻すことができる選択肢です。ご不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
監修:永井歯科医院 院長 永井 太一