2025年7月24日

皆さんは、最後に歯医者へ行ったのはいつでしょうか?
多くの方は「歯が痛くなったから」「詰め物が取れたから」「歯ぐきが腫れてきたから」といった理由で歯科医院を受診されるのではないでしょうか。
実は、この“痛くなってから”の受診では、すでに病状がかなり進行していることが少なくありません。症状が出ているということは、虫歯や歯周病がある程度進んでしまっているサイン。治療には時間がかかり、通院回数も多くなりがちです。また、場合によっては抜歯や大きな処置が必要になることもあります。
そこで今回は、「痛くなる前に行く歯医者」の大切さについてお話ししたいと思います。
痛くない=健康ではない
口の中の病気には、初期段階では自覚症状がほとんどないものが多くあります。特に虫歯や歯周病は“サイレントディジーズ(静かな病気)”とも呼ばれ、知らないうちに進行していくのが特徴です。
たとえば初期の虫歯は痛みを感じないことがほとんどですし、歯周病もかなり進行するまで歯ぐきの腫れや出血に気づかない方が多いです。こうした症状が出てくる頃には、すでに歯の神経がダメージを受けていたり、歯を支える骨が溶けていたりと、治療が難しくなっている場合があります。
だからこそ「痛みがないから大丈夫」と自己判断せず、定期的に歯科医院でチェックを受けることがとても大切です。
予防歯科のメリット
「痛くなる前に行く歯医者」として注目されているのが、予防歯科です。予防歯科では、虫歯や歯周病を未然に防ぐために、定期的な検診やクリーニング、ブラッシング指導などを行います。
予防歯科には以下のようなメリットがあります:
早期発見・早期治療ができる
小さな異常も見逃さず、簡単な治療で済むケースが多くなります。
痛い思いをしなくて済む
痛みが出る前に対処するので、つらい症状に悩まされることが減ります。
治療費・通院回数の負担が軽くなる
大きな処置が必要なくなることで、経済的・時間的な負担を抑えることができます。
自分の歯を長く保てる
定期的なメンテナンスによって、将来的に歯を失うリスクを大きく減らすことができます。
どのくらいの頻度で通えばいいの?
一般的には3〜6ヶ月に一度のペースでの定期検診をおすすめしています。お口の状態や年齢、持病の有無などによって適切な頻度は異なりますので、まずは一度歯科医院でご相談いただくのが安心です。
特に、以下のような方は定期的な受診を強くおすすめします:
・過去に虫歯や歯周病で治療を受けたことがある
・詰め物や被せ物が多い
・歯ぎしりや食いしばりの癖がある
・妊娠中や更年期など、ホルモンバランスに変化がある時期
・糖尿病など全身疾患がある方
「痛くないけど行ってみよう」の習慣を
「痛みがないのに歯医者に行くのは気が引ける」と感じる方もいらっしゃいますが、むしろそれが理想的な通い方です。歯医者は“治療をする場所”から“健康を守る場所”へと、時代とともに役割が変わりつつあります。
日々のケアに加えて、歯科医院でのプロフェッショナルケアを取り入れることで、お口の健康をより確実に守ることができます。そして、それは全身の健康にもつながっていきます。
最後に
歯やお口の健康は、一度失うと取り戻すのが難しいものです。だからこそ、「痛くなってから」ではなく、「痛くならないように」歯医者に通うことが大切です。
ご自身の大切な歯を守るために、そして快適な毎日を送るために、ぜひ「痛くなる前に行く歯医者」の習慣をはじめてみませんか?
私たちは、皆さんのお口の健康を長く守るためのサポートを全力で行っております。どうぞお気軽にご相談ください。
監修:永井歯科医院 院長 永井 太一