2025年6月13日

私たちの歯や口の健康は、毎日の食事や会話、笑顔など、人生のあらゆる場面に深く関わっています。その大切な口腔の健康を守るために欠かせないのが「予防歯科」です。虫歯や歯周病になってから治療するのではなく、病気を未然に防ぐための取り組みを行うのが予防歯科の考え方です。
今回は、「予防歯科とは何か」「なぜ必要なのか」「具体的に何をすればよいのか」についてわかりやすくご紹介します。
予防歯科とは?
予防歯科とは、虫歯や歯周病などの口腔内の病気を「未然に防ぐ」ことを目的とした歯科医療の分野です。これまでの歯科医療は「痛くなったら行く」「歯が悪くなったら削る・抜く」といった対処療法が主流でした。しかし、現代では「歯を守る」「そもそも病気にならない」ことの重要性が広く認識されるようになり、予防歯科の役割がますます高まっています。
なぜ予防が大切なのか?
一度削った歯や失った歯は、完全に元通りに戻ることはありません。たとえ治療で見た目や噛み合わせを整えたとしても、天然の歯のような強さや感覚を取り戻すことは難しいのです。
また、近年の研究では、歯周病が糖尿病や心疾患、認知症などの全身の病気と関係していることも明らかになってきました。つまり、口の健康を守ることは、全身の健康を守ることにもつながるのです。
予防歯科は、将来の健康への“投資”といえるでしょう。早いうちから予防に取り組めば、治療にかかる費用や時間、身体的・精神的な負担を大きく減らすことができます。
予防歯科で行うこと
予防歯科で大切なのは、「セルフケア」と「プロフェッショナルケア」の両方を継続することです。
1. セルフケア(ご自宅でのケア)
正しい歯みがき習慣
毎日の歯みがきが予防の基本です。歯ブラシの当て方、磨く順番、力の入れ方などに注意しましょう。可能であれば、歯科衛生士によるブラッシング指導を受けることで、より効果的な磨き方を習得できます。
デンタルフロス・歯間ブラシの使用
歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間には、フロスや歯間ブラシを使って汚れを落としましょう。
規則正しい食生活
甘いものの摂取頻度が高いと虫歯のリスクが上がります。間食の回数を減らし、バランスのとれた食事を心がけましょう。
2. プロフェッショナルケア(歯科医院でのケア)
定期検診
3〜6か月に一度の定期検診では、虫歯や歯周病の早期発見・早期対応が可能です。また、普段気づきにくい噛み合わせや粘膜の異常などもチェックできます。
歯のクリーニング(PMTC)
歯科衛生士が専用の機器とペーストを使って、歯の表面や歯周ポケット内の歯垢・歯石を徹底的に除去します。自分では落としきれない汚れを取り除くことで、口腔内を清潔に保てます。
フッ素塗布
フッ素は歯の再石灰化を促し、虫歯に強い歯を作る効果があります。特にお子さんや虫歯のリスクが高い方にはおすすめです。
最後に
予防歯科は、単に「歯を守る」だけでなく、健康な体と心、そして豊かな人生を守るための第一歩です。「歯が痛くないから大丈夫」と思っていても、初期の虫歯や歯周病は自覚症状がないことも多く、知らず知らずのうちに進行している場合があります。
当院では、患者さま一人ひとりに合わせた予防プランをご提案し、丁寧にサポートいたします。ぜひ、定期的なメンテナンスの機会として、お気軽にご相談ください。
生涯、自分の歯で美味しく食べ、楽しく笑える毎日のために。予防歯科を、今から始めてみませんか?