2026年5月15日

皆さんは、上下の歯が1日のうちどれくらい接触しているか考えたことはありますか?
「食事もしているし、会話もしているから長時間触れているのでは?」と思う方も多いかもしれません。
1時間?6時間?15時間?
実は、食事や会話を含めても、上下の歯が接触している時間は1日わずか20分程度といわれています。
本来、安静にしているときの歯は、上下が少し離れているのが正常な状態です。しかし、無意識のうちに歯を接触させ続けてしまう癖を持つ方が増えています。
この癖を「TCH(Tooth Contacting Habit)」、日本語では「上下歯列接触癖」といいます。
TCH(上下歯列接触癖)とは?
TCHとは、上下の歯を必要以上に接触させてしまう癖のことです。
強く噛み締めるわけではなく、軽く触れている程度のことも多いため、自分では気付きにくいのが特徴です。
特に次のような場面で起こりやすいとされています。
・パソコン作業に集中しているとき
・スマートフォンを見ているとき
・家事や運転をしているとき
・緊張しているとき
・ストレスを感じているとき
現代ではスマホやPCを見る時間が長くなり、無意識に歯を接触させる時間も増えやすくなっています。
歯は「触れているだけ」でも負担になる
「軽く触れているだけなら問題ないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、歯や顎の周囲の組織は、とても繊細です。
本来は離れているはずの歯が長時間接触していると、歯や筋肉、顎関節に少しずつ負担がかかります。
その結果、次のようなトラブルにつながることがあります。
・顎が疲れる
・顎関節症
・歯のすり減り
・知覚過敏
・詰め物や被せ物の破損
・歯のヒビ
・肩こりや頭痛
「強い歯ぎしりはしていないのに症状がある」という方は、TCHが関係している場合もあります。
TCHのサインをチェックしてみましょう
TCHは自覚しにくいため、お口の中にサインが現れていることがあります。
頬の内側に歯型がついている
頬粘膜にギザギザした歯型がついている場合、頬が歯に押し付けられている可能性があります。
舌の圧痕がある
舌のふちに歯型のような跡がついている方も要注意です。
無意識の噛み締めによって、舌が圧迫されていることがあります。
骨隆起がある
骨隆起とは、顎の骨がコブのように盛り上がる状態です。
長期間にわたり歯や顎へ強い力が加わることで生じることがあります。
特に、下顎の内側や上顎の中央などにみられることがあります。
「昔からあるから問題ない」と思われがちですが、噛み締めのサインとして現れているケースも少なくありません。
TCHを改善するためにできること
TCHは、まず「歯を接触させていることに気付く」ことが大切です。
日中は、『唇は閉じる』『歯は離す』という状態を意識してみましょう。
デスクやスマホに「歯を離す」と書いたメモを貼るのも効果的です。
また、姿勢の悪さやストレスもTCHに関係するため、
・猫背を改善する
・長時間のスマホ使用を控える
・リラックスする時間をつくる
ことも重要です。
気になる症状があれば歯科医院へ相談を
TCHは放置すると、歯や顎への負担が積み重なり、さまざまな口腔内トラブルにつながることがあります。
・歯がしみる
・顎が痛い
・被せ物がよく外れる
・食いしばりを指摘された
・頬や舌に歯型がある
このような症状がある方は、TCHが関係しているかもしれません。
無意識の癖だからこそ、自分だけで気づくのは難しいものです。
お口の状態をチェックし、必要に応じて対策を行うことで、歯や顎への負担を減らせます。
気になる症状がある方は、口腔内のトラブルを引き起こす前に、ぜひ一度ときわ台駅前永井歯科医院へご相談ください。
監修:永井歯科医院 院長 永井 太一