2026年1月16日

歯科治療で「型取り」と聞くと、粘土のような材料を口に入れ、固まるまでじっと待つ――そんな苦しい経験を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。嘔吐反射が強い方や、お口を長時間開けているのが辛い方にとって、型取りは大きな負担になりがちです。
近年、こうした負担を大きく軽減できる新しい技術として注目されているのが「光学印象」です。当院でも導入しており、より快適で精度の高い治療につながっています。
本コラムでは、光学印象の特徴やメリット、従来の型取りとの違いについて分かりやすく解説します。
光学印象(口腔内スキャナー)とは
光学印象とは、口腔内スキャナーと呼ばれる小型カメラを使って、お口の中をスキャンし、歯や歯茎の形をデジタルデータとして取得する型取り方法です。
従来のように粘土状の印象材をお口に入れる必要がなく、光を使って連続的に撮影・記録していきます。
取得したデータはコンピューター上で立体的に再現され、被せ物や詰め物などの補綴物(ほてつぶつ)の製作に使用されます。
従来の型取りと光学印象の違い
従来の型取りでは、粘土状の印象材をトレーに盛り、お口に入れて数分間固定する必要がありました。
そのため、
・嘔吐反射がつらい
・圧迫感や息苦しさを感じる
・長時間お口を開けるのが大変
といったお悩みを持つ方も少なくありませんでした。
一方、光学印象ではスキャナーでなぞるように撮影するため、不快感が大幅に軽減されます。型取りが苦手な方にとって、非常に大きなメリットといえるでしょう。
光学印象のメリット
①型取りが楽でストレスが少ない
粘土状の印象材を使用しないため、吐き気や違和感が出にくく、リラックスして治療を受けていただけます。
②高精度なデジタルデータ
デジタルで記録するため、変形やズレが起こりにくく、適合性の高い被せ物・詰め物の製作が可能です。
③治療時間・通院回数の軽減
型取りのやり直しが少なくなり、治療がスムーズに進むことで、通院回数の短縮につながる場合もあります。
④説明が分かりやすい
スキャンした画像を画面で確認できるため、治療内容を視覚的に理解しやすくなります。
光学印象はどんな歯科治療に使われる?
光学印象は、以下のような治療で活用されています。
・被せ物(クラウン)
・詰め物(インレー)
・ブリッジ
・マウスピース型矯正装置
・ナイトガード(歯ぎしり用マウスピース)
精度が求められる治療ほど、光学印象のメリットが活かされます。
光学印象の注意点
光学印象は非常に優れた技術ですが、すべての症例に適しているわけではありません。お口の状態や治療内容によっては、従来の型取りが適している場合もあります。
当院では、患者さま一人ひとりの状況を考慮し、最適な方法をご提案しています。
まとめ|光学印象で快適な歯科治療を
光学印象は、歯科治療の型取りにおける負担を軽減し、精度の高い治療を可能にする最新技術です。
「型取りが苦手」「できるだけ楽に歯科治療を受けたい」という方にとって、大きなメリットがあります。
当院では、患者さまが安心して通える歯科医院を目指し、設備やスキルのアップデートと丁寧な説明を大切にしています。
光学印象や歯科治療について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
監修:永井歯科医院 院長 永井 太一

Q1. 光学印象は痛みがありますか?
A. 光学印象による型取りで痛みを感じることは、ほとんどありません。
口腔内スキャナーで歯の表面をなぞるように撮影するだけのため、従来の型取りで感じやすかった圧迫感や不快感が少なく、嘔吐反射が強い方でもリラックスして受けていただけます。
Q2. 保険診療でも光学印象は使えますか?
A. 治療内容や補綴物の種類によっては、保険診療でも光学印象を使用できる場合があります。
ただし、すべてのケースが対象になるわけではないため、保険・自由診療の区分や費用については、治療前に分かりやすくご説明しています。ご不明な点はお気軽にご相談ください。