2026年7月17日

歯がズキズキ痛む、冷たいものや温かいものがしみる、歯茎が腫れている……。
このような症状で歯科医院を受診し、「根治(こんち)が必要ですね」と説明を受けたことはありませんか?
しかし、「根治って何?」「虫歯の治療とはどう違うの?」「なぜ何回も通わなければいけないの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
根管治療(こんかんちりょう)は、歯の神経まで細菌感染が広がった際に行う治療で、大切な歯を抜かずに残すための重要な治療です。一方で、治療期間が長くなることも多く、「毎回何をしているのかわからない」と感じる患者様も少なくありません。
そこで今回は、根管治療で実際に行っていることや、通院回数が必要になる理由について、わかりやすく解説します。
根管治療(根治)とは?
根管治療とは、虫歯が神経まで進行したり、神経が細菌感染を起こしたりした際に行う治療です。
歯の内部には「歯髄(しずい)」と呼ばれる神経や血管が通っています。この神経が細菌に感染すると、強い痛みが出たり、歯茎が腫れたりすることがあります。
この感染した神経や細菌を取り除き、歯の内部をきれいに消毒して密封することで、歯を抜かずに保存することを目指します。
根管治療では何をしているの?
「毎回同じようなことをしているように見える」という患者様もいらっしゃいますが、実際には少しずつ治療を進めています。
①感染した神経や細菌を取り除く
まずは虫歯を取り除き、歯の中にある感染した神経や組織を専用の器具で取り除きます。
歯の根の中は非常に細く複雑な形をしており、人によって本数や曲がり方も異なります。そのため、細い器具を使って少しずつ丁寧に治療を進めます。
②根の中を洗浄・消毒する
神経を取っただけでは細菌を完全に除去できません。
薬液を使って根管の内部を何度も洗浄し、細菌をできるだけ減らしていきます。感染が残ったまま詰め物をすると再発の原因になるため、この工程は非常に重要です。
③薬を入れて経過を確認する
感染の程度によっては、薬を入れて数日から1週間ほど様子を見ることがあります。
痛みや腫れが落ち着き、細菌が十分に減っていることを確認しながら治療を進めます。
④根管をしっかり密封する
感染がなくなったことを確認したら、根管の中に専用の材料をすき間なく詰めます。
細菌が再び入り込まないように密封することが、治療成功の大切なポイントです。
その後、土台や被せ物を作り、噛める状態まで回復させます。
なぜ何回も通院が必要なの?
根管治療は「細菌との戦い」といっても過言ではありません。
歯の根は髪の毛ほど細く、枝分かれしていることも多いため、一度の治療ですべての細菌を取り除くことは難しい場合があります。
また、症状が落ち着いたように見えても、内部に細菌が残っていることがあります。そのまま治療を終えてしまうと、数か月後や数年後に再び痛みや腫れが起こる可能性があります。
そのため、歯科医師は毎回根の状態を確認しながら慎重に治療を進めています。
根管治療中に気を付けたいこと
治療途中で通院をやめてしまうと、仮のふたが外れたり、細菌が再び入り込んだりして治療がやり直しになることがあります。
また、せっかく残せるはずだった歯を抜かなければならなくなるケースもあります。
根管治療は、痛みや腫れが引いたからといって途中でやめるのではなく、歯科医院の指示通り最後まで通院することが大切です。
まとめ|根管治療は歯を守るための大切な治療です
根管治療は、感染した神経を取り除くだけではなく、歯の根の中を丁寧に洗浄・消毒し、細菌が再び侵入しないように密封するまでが一連の治療です。
時間や通院回数がかかることもありますが、それはご自身の歯をできるだけ長く残すためです。
「根治と言われたけれど、どんな治療かわからない」「何回も通う理由を知りたい」という方は、お気軽に当院までご相談ください。治療内容を丁寧にご説明し、安心して治療を受けていただけるようサポートいたします。
監修:永井歯科医院 院長 永井 太一

Q1. 根管治療が終わったら、それで治療は終わりですか?
A. いいえ、根管治療は「根の治療」と「被せ物」まで行って初めて完了します。
根管治療後は、土台を立てて被せ物を装着し、歯をしっかり保護する必要があります。神経を取った歯はもろく割れやすくなるため、被せ物でしっかり補強することで、長く使える状態を目指します。
Q2. 根管治療をした歯は、もう虫歯にならないのですか?
A. 根管治療をした歯でも虫歯になります。
神経を取った歯は痛みを感じにくくなるため、気付いた時には大きな虫歯になっていることもあります。治療後も毎日のセルフケアと定期的なメンテナンスを続けることが大切です。
Q3. 根管治療をした歯は何年くらい保ちますか?
A. 適切なケアを続けることで、10年以上使い続けられるケースも少なくありません。
歯の寿命は、お口の状態や噛み合わせ、セルフケア、定期的なメンテナンスなどによって大きく左右されます。一方で、虫歯の再発や歯の破折が起こると、寿命が短くなることもあります。
Q4. 根管治療をしても抜歯になることはありますか?
A. はい、状態によっては抜歯が必要になることもあります。
根管治療は歯を残すための治療ですが、感染が広範囲に及んでいたり、歯が大きく割れていたりする場合は、保存が難しいことがあります。また、治療後に再感染した場合も、状態によっては抜歯を選択するケースがあります。大切な歯を少しでも長く残すためには、早めの受診と治療後の定期的なメンテナンスが重要です。