2026年6月05日

「口の中が乾く」「水を飲んでもすぐに口が渇く」「口の中がネバネバする」といった症状はありませんか?
こうした症状は「ドライマウス(口腔乾燥症)」と呼ばれ、年齢を問わず多くの方にみられるお口のトラブルです。唾液が減ることで不快感が生じるだけでなく、虫歯や歯周病、口臭のリスクも高まります。
今回は、ドライマウスの原因や症状、予防方法について解説します。
ドライマウス(口腔乾燥症)とは?
ドライマウスとは、唾液の分泌量が減少し、お口の中が慢性的に乾燥した状態を指します。
唾液には、お口の中を清潔に保つ自浄作用や細菌の増殖を抑える抗菌作用、食べ物の消化を助ける働きがあります。そのため唾液が不足すると、お口の中の環境が悪化し、さまざまなトラブルを引き起こしやすくなります。
特に高齢者に多くみられますが、生活習慣や服用している薬の影響によって若い世代でも発症することがあります。
ドライマウスが起こる原因
ドライマウスはさまざまな要因によって引き起こされます。
代表的な原因の一つが口呼吸です。
鼻ではなく口で呼吸する習慣があると、お口の中の水分が蒸発しやすくなり、乾燥が進みます。また、アルコールやカフェインの過剰摂取も体内の水分不足を招き、唾液の分泌量低下につながることがあります。
加齢による唾液腺機能の低下や、噛む回数の減少による口周りの筋力低下も原因の一つです。
さらに、薬の副作用によってドライマウスが起こるケースも少なくありません。特に鎮痛剤、抗ヒスタミン薬、抗うつ薬、向精神薬などは唾液の分泌を抑える作用があるため、服用中に口の乾燥を感じることがあります。
そのほか、頭頸部への放射線治療、過度なストレスによる自律神経の乱れ、喫煙習慣などもドライマウスの発症に関係していると考えられています。
ドライマウスでみられる症状
ドライマウスの代表的な症状は、お口の乾燥感やネバネバ感です。しかし症状はそれだけではありません。
唾液が不足すると、舌や粘膜にヒリヒリ感や灼熱感が生じることがあります。また、食べ物をうまくまとめられなくなり、噛みにくい、飲み込みにくいと感じる場合もあります。
さらに、味覚が鈍くなる味覚障害や、舌の表面にひび割れが生じることもあります。
唾液には細菌の増殖を抑える働きがあるため、ドライマウスを放置すると、虫歯や歯周病、口臭のリスクが高まる点にも注意が必要です。
ドライマウスの予防と改善方法
ドライマウスは日常生活の見直しによって改善が期待できる場合があります。
まずはこまめな水分補給を心がけましょう。
また、よく噛んで食事をすることで唾液の分泌が促進されます。
口呼吸の習慣がある方は鼻呼吸を意識し、アルコールやカフェインの摂り過ぎにも注意しましょう。
喫煙習慣がある場合は禁煙も有効です。
唾液腺マッサージや口周りの筋肉を動かす体操も、唾液分泌を促す方法として知られています。
服用中のお薬が原因として疑われる場合は、自己判断で中止せず、医師や歯科医師に相談することが大切です。
まとめ
ドライマウスは、口呼吸や加齢、薬の副作用、ストレス、喫煙などさまざまな原因によって起こります。
症状が進行すると、お口の不快感だけでなく、虫歯や歯周病、口臭などのリスクも高まります。
「最近口が乾きやすい」「食べ物が飲み込みにくい」「口の中がネバつく」といった症状が続く場合は、早めに歯科医院へ相談しましょう。
原因を把握し適切なケアを行うことで、お口の健康を維持しやすくなります。
監修:永井歯科医院 院長 永井 太一