2025年9月25日

歯並びを整える「矯正治療」といえば、かつては金属のワイヤーを使った装置が主流でした。近年は透明で目立ちにくい「マウスピース矯正」も広まり、治療の選択肢が増えています。どちらが良いかは一概には言えず、それぞれにメリット・デメリットがあります。今回は、両者の特長を比較しながら、患者様のご希望や生活スタイルに合わせた選び方をご紹介します。
ワイヤー矯正の特長
ワイヤー矯正は、歯にブラケットという小さな装置を装着し、ワイヤーの力で歯を動かす方法です。最も歴史があり、幅広い症例に対応できる矯正方法です。
メリット
・幅広い症例に対応可能:軽度から重度まで、ほぼすべての歯並びに対応できます。抜歯が必要なケースや噛み合わせの大きなズレにも適応可能です。
・計画的で確実な治療:歯科医師が細かく調整することで、歯の動きをコントロールできます。
・豊富な実績:長年行われてきた治療法のため、信頼性が高い点も安心です。
デメリット
・見た目が気になる:金属の装置は目立ちやすく、特に人前に出る機会が多い方には気になる場合があります。ただし、近年は透明や白い装置も選べます。
・食事や清掃に工夫が必要:食べ物が挟まりやすく、歯磨きにも時間をかける必要があります。
・違和感や痛み:装置が口の中に当たって口内炎ができやすく、調整直後は痛みを感じることがあります。
マウスピース矯正の特長
マウスピース矯正は、透明な取り外し式の装置を段階的に交換しながら歯を動かす方法です。当院では「クリアコレクト」という透明なマウスピース矯正システムを導入しており、見た目や快適さを重視する方に人気があります。
メリット
・目立ちにくい:透明なマウスピースなので、装着していてもほとんど気づかれません。
・取り外し可能:食事や歯磨きの際に外せるため、生活に制限が少なく衛生的です。
・違和感が少ない:薄く滑らかな素材でできており、口内炎などのトラブルが比較的少ないのも利点です。
デメリット
・適応範囲に限界:軽度~中等度の歯並びの不正に向いており、骨格的なズレや大きな噛み合わせの問題には不向きです。
・自己管理が必要:1日20時間以上の装着が必須。つけ忘れが多いと効果が出ません。
・追加費用の可能性:計画通りに進まない場合、追加のマウスピース作成が必要になることもあります。
どちらが向いている?
ワイヤー矯正が向いている人
・抜歯を伴う大きな歯列不正がある
・噛み合わせの改善をしっかり行いたい
・確実に治療を進めたい
マウスピース矯正が向いている人
・軽度~中等度の歯並びの乱れを治したい
・人前に出る機会が多く、装置の見た目を気にする
・自己管理ができ、毎日装着を徹底できる
まとめ
ワイヤー矯正とマウスピース矯正には、それぞれに大きな強みと課題があります。どちらが適しているかは歯並びの状態やライフスタイルによって異なります。当院では、まず精密検査を行い、患者様のご希望と歯の状態を踏まえて、最適な治療方法をご提案いたします。
歯並びを整えることは、見た目だけでなく噛み合わせや将来の歯の健康を守る大切な治療です。まずはお気軽にご相談ください。
監修:永井歯科医院 永井 太一